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研修医が単独で行ってよい検査・処置・手技・処方の基準

研修医が単独で行ってよい検査・処置・手技・処方の基準

蒲郡市民病院における診療行為の内、研修医が指導医の同席なしに単独で行って良い処置と処方内容の基準を示す。実際の運用に当たっては以下のような点を考慮したうえで行うこと。

緊急時を除いてインフォームドコンセントを実施したうえで診察に当たる。
各診療科特有の医療行為に関しては当該診療科の責任者・指導医の指示のもと基準を定めること。
指導医は個々の研修医の技量を考慮して指導し、研修医が実施したことについては指導医が責任を取る。
個々の手技においては単独で行って良いものでも困難な例については上級医・指導医の指示を仰ぐこと。

研修医が単独で行なってよいこと

指導医の下で複数回の経験を重ね、行為の意味、安全性、危険性を理解し、指導医の許可を得て行なうこと。

研修医が単独では行なっていけないこと

指導医の了解・指導のもとでなければ、研修医単独で行うことはできない。

I. 診察

研修医が単独で行なってよいこと	研修医が単独では行なっていけないこと
身の視診、打診、触診簡単な器具（聴診器、打鍵器、血圧計）を用いる全身の診察直腸診耳鏡・鼻鏡・検眼鏡による診察（診察に関しては、組織を損傷しないように十分に注意する。）	婦人科内診

II. 検査

	研修医が単独で行なってよいこと	研修医が単独では行なっていけないこと
1. 生理学的検査	心電図、聴力・平衡・味覚・嗅覚・知覚・視野・視力検査	脳波、呼吸機能（肺活量など）、筋電図、神経伝導速度眼球に直接触れる検査
2. 内視鏡検査	喉頭鏡	直腸鏡、肛門鏡、食道鏡、胃内視鏡、大腸内視鏡、気管支鏡、膀胱鏡
3. 画像検査	腹部超音波、心臓超音波	単純X線撮影、CT撮影、MRI撮影、血管造影、核医学検査、消化管造影、気管支造影、脊髄造影
4. 血管穿刺と採血	末梢静脈穿刺と静脈ライン留置動脈穿刺（困難な場合は無理しない）	中心静脈穿刺（鎖骨化、内頸、大腿）動脈ライン留置小児の採血、小児の動脈穿刺
5. 穿刺	皮下の嚢胞・膿瘍穿刺	深部の嚢胞・膿瘍穿刺関節胸腔・腹腔・膀胱穿刺腰部硬膜外穿刺、腰部くも膜下穿刺、針生検
6. 産婦人科		膣内容採取、コルポスコピー、子宮内操作
7. その他	アレルギー検査改訂版長谷川式簡易知能評価スケールミニ・メンタルステート検査（MMSE）	発達テストの解釈、知能テストの解釈、心理テストの解釈

III. 治療

	研修医が単独で行なってよいこと	研修医が単独では行なっていけないこと
1. 処置	皮膚消毒、包帯交換、創傷処置、外用薬貼付・塗布気管内吸引、ネブライザー導尿（困難なときは無理をしない）浣腸胃管挿入（十分に覚醒しており、嚥下の協力が得られるとき）気管カニューレ交換（2回目以降）	ギプス巻き、ギプスカット導尿（新生児・乳児・未熟児では単独で行なえない）胃管挿入（反射低下、意識喪失で、誤嚥しても反応に乏しい時）気管切開後初回のカニューレ交換胃瘻増設後（初回の胃瘻交換時）
2. 注射	皮内・皮下・筋肉・末梢静脈注射、輸血、中心静脈注射	関節内注射向精神薬、抗悪性腫瘍剤の静注
3. 麻酔	局所浸潤麻酔	気管内挿管、脊髄麻酔、硬膜外麻酔
4. 外科的処置	皮膚の止血皮膚縫合抜糸皮下膿瘍切開排膿熱傷処置	深部の止血（応急処置は可能）深部膿瘍切開排膿深部の縫合・ドレナージ留置深部のドレナージ抜去気管切開
5. 処方	一般の内服薬一般の注射薬理学療法食事指導	向精神薬・抗癌薬・麻薬処方全般
6. その他	インスリン自己注射指導血糖値自己測定指導

IV. 診療一般

研修医が単独で行なってよいこと	研修医が単独では行なっていけないこと
回診時の検査説明簡単な検査の結果説明（指導医からの指示のもと）簡単な病状説明（ベッドサイドにおける簡単な質問に対しては対応可能。内容はカルテに記載すること）病状報告書・紹介患者返事紹介状退院記録	正式な検査結果説明（血液検査、画像検査、病理検査）正式な病状説明（診断名、治療、予後　等）検査・処置・治療同意書（指導医のもとでの説明は可能）病理解剖死亡診断書・生命保険診断書・証明書の作成（後日照会されることがあり、指導医のチェックと連名が必要）

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