眼科カリキュラム
初期研修医 眼科カリキュラム
総論
1 問診
総合目標(GIO)
診断、治療に必要な情報を得られる。
診断、治療に必要な情報を得られる。
行動目標(SBO)
- 患者の主訴を聞きだすことができる。
- 患者の病状経過を追って情報をとることができる。
- 主訴に重要な既往症、特に高血圧、糖尿病等の内科歴、花粉症、薬物等のアレルギー歴、コンピューターワーク等の職業歴、伝染性疾患の有無等の家族歴を取ることができる。
LS
上級医の指導のもとに患者の病歴聴取と記録を行う
上級医の指導のもとに患者の病歴聴取と記録を行う
2 眼科学所見
1)検査手技
■ 総合目標(GIO)
眼科学に必要な検査所見が取れる。
眼科学に必要な検査所見が取れる。
■ 行動目標(SBO)
- レフ・ケラトメーターが測定でき、その意味が理解できる。
- 裸眼視力測定、矯正視力測定ができる。
- 所持眼鏡チェックと眼鏡処方が正しくできる。(レッド・グリーンテストが理解できる。)
- 眼圧測定ができる。
- 視野検査ができる。
2)細隙灯顕微鏡による診察
■ 総合目標(GIO)
細隙灯顕微鏡を操作して必要な所見が取れる。
細隙灯顕微鏡を操作して必要な所見が取れる。
■ 行動目標(SBO)
- スリット幅を操作し、角膜、前房、水晶体、全部硝子体の必要な深度の所見が取れる。
- 徹照法を用いて網膜赤色反射を観察することができる。
- ブルーフィルターを用いて角結膜所見を観察することができる。
- 隅角鏡を用いて隅角所見を観察することができる。
3)眼底の診察
■ 総合目標(GIO)
倒像鏡及び前置レンズ等を操作して必要な所見が取ることができる。
倒像鏡及び前置レンズ等を操作して必要な所見が取ることができる。
■ 行動目標(SBO)
- 倒像鏡を用いて散瞳状態で視神経乳頭、黄斑部、眼底周辺所見が観察できる。
- 倒像鏡を用いて縮瞳状態で視神経乳頭、黄斑部、眼底周辺所見が観察できる。
- 前置レンズもしくは接触型レンズを用いて周辺眼底所見を観察することができる。
LS
上級医の指導のもとに患者に対して細隙灯顕微鏡及び倒像鏡による診察を行う
各論
1 結膜炎
GIO
結膜炎の診断、治療、生活指導が適切に行える。
結膜炎の診断、治療、生活指導が適切に行える。
SBO
- 症状、経過、家族歴の関連性を把握できる。結膜所見と同様に角膜、耳前リンパ節腫脹などの所見を正しく取れる。
- 治療、予後、日常生活指導、感染注意を患者さんに説明できる。
- 院内感染に対する適切な処置(消毒)が行えるか、または指導できる。
2 白内障
GIO
白内障の診断、治療計画の理解、治療予後の説明ができる。
白内障の診断、治療計画の理解、治療予後の説明ができる。
SBO
- 白内障の病理分類、進行(ステージ)分類ができる。
- 内科的治療、外科的治療のそれぞれを理論的に理解できる。
- 白内障手術の適応を理解し、それぞれの術前検査の意味を理解できる。
- 手術手技を立体的に把握、理解できる。
- 白内障手術後の外科的経過、視力経過を観察、理解できる。
3 緑内障
GIO
緑内障の診断、治療計画の理解、治療予後の説明ができる。
緑内障の診断、治療計画の理解、治療予後の説明ができる。
SBO
- 眼圧と視力、視野の関係を理解できる。
- 緑内障を正しく分類し、内科的治療の計画と限界を理論的に理解できる。
- 緑内障発作を診断し治療できる。
- 緑内障手術の適応と限界を理解し、手術計画を理解できる。
- 代表的な緑内障手術手技(レーザーイリドトミー、LTP、イリデクトミー、トラベクレクトミー)を立体的に把握、理解できる。
- 緑内障術後の外科的経過、視力、眼圧、視野経過を観察、理解できる。
4 眼外傷
GIO
眼内異物の異物部位を診断し、治療、処置ができる。
眼内異物の異物部位を診断し、治療、処置ができる。
SBO
- 結膜異物、角膜異物を同定し処置を実施、あるいは指導できる。
- 眼内異物を疑い頭部X線写真、CT写真の依頼、読影ができる。
- それぞれの異物に対する外来指導、予後説明ができる。
5 眼瞼裂傷
GIO
眼瞼裂傷の診断、治療ができる。
眼瞼裂傷の診断、治療ができる。
SBO
- 裂傷部位の同定と、鼻涙管および眼瞼挙筋断裂の有無を診断できる。
- 適切な縫合処置(麻酔、縫合糸、縫合部位、縫合順序)ができる。
- 術後の適切な経過観察と処置、合併症の説明ができる。
6 眼球裂傷
GIO
眼球裂傷の診断と救急処置ができる。
眼球裂傷の診断と救急処置ができる。
SBO
- 眼球裂傷部位を同定でき、補助診断として必要な検査が依頼、読影できる。
- 視力予後、手術合併症を予測でき、緊急手術の準備ができる。
評価(EV)
1 | 研修医の到達度評価は、各分野・診療科のローテーション終了時に、医師及び医師以外の医療職(看護師を含む)が研修医評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを用いて評価する。 |
2 | 上記評価の結果を踏まえて、少なくとも年2回、プログラム責任者が、研修医に対して形成的評価(フィードバック)を行う。 |
3 | 2年間の研修終了時に、研修管理委員会において、研修医評価票Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを勘案して作成される「臨床研修の目標の達成度判定票」を用いて、到達目標の達成状況について評価する。 |
4 | 「経験すべき29症候」と、「経験すべき26疾病・病態」の研修を行ったことの確認は、日常業務において作成される病歴要約に基づくこととし、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン(診断、治療、教育)、考察を含み、「病歴要約提出状況」の全ての項目に指導医の確認と評価をもらう。 |