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消化器外科



特色

 当科では、胃・十二指腸、小腸・大腸、肛門にわたる消化管の疾患と、肝臓・胆道・膵臓などの実質臓器の疾患を対象にしています。日本外科学会・外科専門医制度修練施設、日本消化器外科学会・専門医制度指定修練施設となっており、胃癌や大腸癌をはじめとする消化器悪性疾患や胆石症、ヘルニア、肛門・痔疾患などの良性疾患の手術を施行しています。また、急性虫垂炎や急性胆嚢炎に対する緊急腹腔鏡下手術、消化器癌などを対象とした腹腔鏡下手術の低侵襲(体に負担の少ない)手術についても施行しています。(図1)
 急性虫垂炎、急性胆嚢炎、腹膜炎、腸閉塞、腹部外傷など、手術が必要な救急疾患については、夜間休日を問わず対応しております。

図1 外科主要手術件数・腹腔鏡下手術率推移

 さらには、低侵襲手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ”での手術などにも積極的に取り組んでおり、肛門近くの大腸がん(直腸がん)や胃の入口近くの胃がんなど、当院だけでは難しい治療に関しても名古屋市立大学病院と協同して治療を開始しております。
 がん化学療法・放射線治療をはじめとする手術以外の集学的がん治療についても、術前術後を通して多くの役割を担っています。 特に、自宅での生活を継続しながら抗癌剤治療を受ける外来化学療法は、当科が病院全体の半数以上を担っており、年々その患者数は増加傾向にあります。(図2)

図2 外来化学療法患者数

 また、人工肛門トラブルへの相談・対処を行っているストーマ外来も週2回、予約制で開いております。
 
 確かな経験と実績からなる最善の医療に尽力しながら、さまざまな疾患に対応できる体制を整えています。

最新がん手術 ロボット手術って何?
    名古屋市立大学 消化器外科教授 瀧口 修司 先生

瀧口 修司 
名古屋市立大学消化器外科教授

子供のころ、天井から降りてきたロボットアームが、手術してしまうアニメを見られた方は多いと思います。最近では、それが現実になってきました。2018年4月から消化器がんにも、このロボット手術の適応となりました。蒲郡市民病院には、手術支援ロボット“ダヴィンチXi”という最新機種が稼働しています。このロボットは、操作をする術者の手の動きを忠実に再現するロボットです。これにより内視鏡手術の欠点とされてきた鉗子の動作制限がなくなり、腹腔内で関節を持つことができるため、自由度が高く精度の高い手術ができます。しかも、細かな操作においては、手振れをフィルタリングすることで、人の能力を高めた作業をこなすことが可能です。これらを駆使して最近では、胃がんの手術をさらに安全確実に行っています。

がんの手術では、リンパ節など転移が疑われる部位は切除する必要がありますが、この切除をうまくこなすことができるのもこのロボットです。消化器がんに限らず、将来は、多くの手術がロボット手術にかわっていくものと思われます。

主な対象疾患

  • 胃の疾患:胃癌、胃粘膜下腫瘍、胃十二指腸潰瘍 
  • 十二指腸・小腸の疾患:十二指腸・小腸癌、十二指腸・小腸粘膜下腫瘍 
  • 大腸の疾患:大腸癌(結腸癌・直腸癌)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、家族性大腸ポリポーシス、大腸憩室症  
  • 肛門の疾患:肛門管癌、痔疾患(痔核・裂肛・痔瘻) 
  • 肝臓の疾患:肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝腫瘍、巨大肝嚢胞 
  • 胆嚢の疾患:胆石症、胆嚢炎、総胆管結石症、胆管癌 
  • 膵臓の疾患:急性・慢性膵炎、膵嚢胞、膵癌 
  • 脾臓の疾患:脾腫瘍、特発性血小板減少性紫斑病(ITP) 
  • ヘルニア疾患:鼠経ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニア、大腿ヘルニア

診察週間予定表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
杉浦 弘典
中村 善則
ヘルニア外来
佐藤 幹則
野村 僚
中村 善則
長﨑 高也
ヘルニア外来
長﨑 高也
野村 僚
ヘルニア外来
佐藤 幹則
杉浦 弘典
この表はあくまでも予定表です。医師の出張等で変更されることもありますので、詳しくお知りになりたい方は外来12番受付までおたずね下さい。

12番受付 直通電話:0533-66-2215

医師紹介(常勤医師)

中村 善則(なかむら よしのり)外科顧問

資格など
臨床研修指導医
日本外科学会認定医・専門医
日本消化器外科学会認定医
緩和ケア研修修了医
医学博士
身体障害者福祉法第15条指定医師(ぼうこう・直腸機能障害)
難病指定医

佐藤 幹則(さとう みきのり)副院長兼消化器外科部長兼デジタル医療推進室長

資格など
臨床研修指導医
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本癌治療学会臨床試験登録医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医・暫定教育医
臨床外科学会評議委員
インフェクションコントロールドクター
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
難病指定医
名古屋市立大学臨床教授(消化器外科学)

ひと言 
 私は、前任の名古屋市立大学消化器外科では、大腸癌(結腸・直腸癌)に対する集学的治療(手術・抗がん剤・放射線治療)や、肛門疾患の手術・治療を中心に診療してまいりました。手術では、癌の進行状態に応じた過不足のない手術が大切で、進行した癌の状態であれば、癌を取り残すことなくしっかりと取り去る、早期の状態であれば、機能を温存しながら、低侵襲手術を行なってきました。
 
 また、抗がん剤治療は、近年新しい薬剤が多数承認され、その効果も実証されてきております。大腸がんの診療ガイドラインに準じ、補助化学療法(手術後の再発予防治療)、ならびに再発進行症例に対する抗がん剤療法(FOLFOX、FOLFIRI、分子標的薬、免疫療法など)を積極的に行っております。
 
 痔疾患は、非常に多い疾患ではありますが、なかなか相談や、受診しにくい疾患だと思います。私は、大腸肛門病学会の専門医・指導医であり、当院は、大腸肛門病学会の認定施設となっており、豊富な治療・手術経験があります。患者さんの症状・病状を十分に検討しご本人意向に沿った治療を心がけております。お気軽にご相談いただければと思います。
独り言
 食べ物がおいしくて、新鮮なおさかな、旬の果物、野菜が豊富で感動しました。蒲郡は、愛知県一二を争うメタボな町という不名誉なことも理解できました。もちろん、メタボは、健康寿命にとっては大敵ですので気を付けましょう。
 
 蒲郡市民の健康のために、日夜市民病院で診療にあたっておりますのでよろしくお願いたします。

杉浦 弘典(すぎうら ひろのり)消化器外科第2部長

資格など
  • 臨床研修指導医
  • 日本外科学会専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 緩和ケア研修修了医
  • 医学博士
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(ぼうこう・直腸機能障害・小腸機能障害)
ひと言 
 私は消化器外科を担当しております。主な疾患としては胃癌、大腸癌、胆嚢結石症、急性虫垂炎、鼠径ヘルニアなどです。より少ない侵襲を目指し積極的に腹腔鏡手術を取りいれています。消化器外科領域は命に関わる急性疾患も多く、穿孔性腹膜炎や腸閉塞などに対しても迅速に緊急手術に対応しています。
 また胃癌、大腸癌の術後補助化学療法や再発化学療法を行っており、再発時の様々な症状に対しての緩和治療も行っております。2018年4月に当院に赴任してから2021年12月までの自身の主な執刀数は、胃癌手術43例(その内、腹腔鏡手術72%)、大腸癌手術57例(89%)、胆嚢摘出術71例(99%)、虫垂切除術31例(97%)、鼠径ヘルニア手術64例(77%)、穿孔性腹膜炎手術・腸閉塞手術30例です。その他にも多くの患者さんを担当させていただきました。
 これからも外科手術を通して患者さんに対して最善の医療を行うことを基本理念として、安全で安心な手術を心がけてゆきます。
独り言
 私は名古屋から蒲郡へ赴任してきましたが、蒲郡は素晴らしいところだなと思いました。山あり海あり風光明媚。山はドライブすると気持ちよく、三河湾、蒲郡を一望にできる景色を楽しめます。海は子供の頃、蒲郡に海水浴に来たことを思い出しました。竹島は地域に親しまれた名所で海岸沿いを休日によく散歩しました。花火は良かったですね。コロナが収まればまた三尺玉をみたいですね。三尺玉は全国でも10数箇所くらいですし近場ではここだけ。花火会場が駅からすぐというのも一押しの点ですね。生活面でも食品などは名古屋と比べても非常に質が高いと思います。メヒカリは蒲郡に来て初めて食べましたが美味しいですね。蒲郡は生活、文化、観光、産業などで大変魅力的な地域ですが、医療の面でもより魅力的な町になるよう市民病院の職員として頑張ってゆきたいと思います。

長﨑 高也(ながさき たかや)消化器外科第3部長

資格など
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医
  • NST医師教育セミナー修了
  • 緩和ケア研修修了医
  • 日本DMAT隊員
  • 臨床研修指導医
  • 医学博士

ひと言 
 令和4年1月から蒲郡市民病院に勤務しております。大腸癌などの下部消化管外科が専門です。大学院で学位を取得後、前任地の名古屋市立大学医学部附属東部医療センターで内視鏡下手術を中心に消化器外科手術の経験を積んできました。蒲郡市民病院では、下部消化管外科を主軸として消化器外科全般を担当しております。また、大腸癌などの悪性疾患だけではなく、痔や直腸脱といった良性の大腸肛門疾患にも積極的に取り組んで参ります。
独り言
釣りや温泉など、観光客としてよく遊びに来ていた蒲郡で働くことになりました。
休日には、船上や堤防などでお会いすることがあるかもしれません。どうぞよろしくお願いいたします。

野村 僚(のむら りょう)