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ドクターインタビュー

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聞いて納得・知ってて良かった!消化器系の病気について


坂 哲臣(ばん てっしん)Dr.
【所属】消化器内科 内科
【資格】
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
  • 日本消化器病学会指導医・専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本胆道学会指導医
  • 日本膵臓学会指導医

消化器内科の特色について教えてください

上部内視鏡(胃カメラ)、下部内視鏡(大腸カメラ)はもちろんのこと、膵臓や胆道(胆管や胆嚢)疾患の検診ができる胆膵内視鏡を行えることが特長です。胆膵内視鏡は技術の難易度がとても高く、ハイボリュームセンター(手術件数の多い病院)などで十分に経験を積んだ専門医が必要となります。当院では、消化管、胆管、膵管を含むすべての内視鏡検査に対応できる医師・設備をそろえています。

胆膵内視鏡についてもう少し詳しく教えてください

まず、胆膵内視鏡というのは、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)と超音波内視鏡(EUS)に分かれます。いずれも膵臓がんや胆道がんの早期発見を目的としていますが、最も威力を発揮するのはEUSです。ERCPと比べて偶発症(出血や炎症など)の発生リスクが少なく、特に膵臓がんの早期発見に適している手技といえます。もちろん、どちらを選択するにせよ、私たちがつねに心掛けているのは、成功率の向上と偶発症発生を極力減らすことです。ちなみにですが、当院のERCPにおける手技成功率は98.5%、合併症発生率は2.5%(いずれも2021年6月現在)となっています。これは全国レベルの結果を維持している数字です。

膵臓がんとはどのような病気なのでしょうか?

膵臓から発生するがんです。膵臓はお腹の深部に位置し、他の臓器や血管に囲まれているため、腫瘍の発見がかなり難しいとされています。また、症状が出にくいため、早期の発見が簡単ではありません。さらには、手術での治癒が困難で、転移や再発の可能性も高いという、ある種絶望的ともいえる怖い病気です。「自覚症状が出た時には手遅れ」とならないためにも、定期的に内視鏡検査を受診していただき、早期発見に努めることが何より大切となります。

消化器がん早期発見の啓蒙のために新たな取り組みをスタートさせると聞きました

本年度(令和3年度)中にスタートさせる取り組みが2つあります。ひとつめは「膵臓がん早期発見プロジェクト」です。胃カメラの観察機能を持った超音波内視鏡(EUS)を新たに導入し、上部内視鏡検診で使用していきます。これにより、1回の内視鏡検診で、食道、胃、十二指腸だけでなく、膵臓、胆管、胆嚢までの観察が可能になり、膵臓がんを含めた胆膵疾患の早期発見へと繋げていきます。全国でも例を見ない画期的な検診スタイルとなるはずです。

もうひとつの取り組みとはどのようなものですか?

人工知能(AI)を搭載した大腸内視鏡を導入します。AIが大腸の粘膜を判断することで、人間の目では見落としてしまうような微小なポリープまで発見していきます。専門医の経験と技術+AIのアシストで、大腸がん検診での“見逃しゼロ”を目指していく取り組みです。同時に、大腸内視鏡検診の啓蒙にも強く力を注いでいきます。いくら設備が整っていても、検診を受ける方が増えないようでは意味がありません。おすすめしたいのは、大変優れた大腸がん検診項目である便潜血検査です。当院においても、外来・入院問わず便潜血検査を導入していますし、今後は周辺開業医の先生方にも積極的な便潜血検査の導入をお願いしていこうと考えています。

内科の新たな取り組み

◆膵臓がん早期発見プロジェクト

胃カメラの観察機能を持った超音波内視鏡(EUS)を導入

上部内視鏡(胃カメラ)検診で使用

1回の検診で、食道、胃、十二指腸に加え、膵臓、胆管、胆嚢まで観察

膵臓がんや胆膵疾患を早期発見

◆人工知能搭載の新しい大腸内視鏡

便潜血検査を用いた大腸がん検診を推進

人工知能を搭載した下部内視鏡(大腸カメラ)で検診

人工知能のアシストによりポリープなどの発見率が上昇

大腸がんおよび前がん病変を早期発見

消化器内科のココが強み!

  • 胃、大腸、胆膵まで、すべての内視鏡検査に対応
  • 全国でも例を見ない、画期的な内視鏡検診プロジェクト
  • 便潜血検査を用いた大腸がん検診の推進

坂Dr.より一言

蒲郡市における基幹病院は市民病院しかないこともあり、“がんの発見”に至る患者さまがとても多くいらっしゃいます。ただ、残念なことに、かなりガマンされてから受診される方がほとんどで「すでにかなり進行している」というケースが少なくありません。消化器系のがんは早期に発見することがとても重要です。ぜひ、定期的な内視鏡検査や便潜血検査の受診をよろしくお願いいたします!