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ドクターインタビュー

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聞いて納得・知ってて良かった!整形外科の取り組みについて


裵 漢成(はい ひろなり)Dr.
【所属】整形外科
  • 蒲郡市民病院 院長補佐/整形外科部長/リハビリテーション科部長
  • 名古屋市立大学医学部 臨床教授
  • 蒲郡市スポーツ医療・健康アドバイザー

「ここに来て よかった」と誰もが思える病院を

年齢よりも、その人が望む“活動性”こそが最適な手術を決める軸

 骨切り術は、自分の膝関節を温存できる点が最大の魅力です。人工関節と違い、スポーツなど高負荷の活動にも復帰しやすい。その一方で、「全員に適しているわけではない」とも感じています。

たとえば70代でも「ホノルルマラソンを完走したい」といった高い目標を持つ方には、膝周囲骨切り術がベストかもしれません。でも「60代だけど、家族と旅行を痛みなく楽しめたら十分」といった希望ならば、術後の回復が早い人工関節も素晴らしい選択肢になり得ます。

要は、年齢よりも、その人が望む“活動性”こそが最適な手術を決める軸。治療法の選択は、医師の視点以上に、患者さんの“生き方”を大切にしたいと思っています。

手術だけに頼らない医療──運動の重要性と次世代への視点

 整形外科医というと、「手術で治す人」というイメージがあるかもしれません。もちろん、骨折や靱帯損傷など、構造的な破綻に対する外科的治療は我々の中心的な役割です。

しかし、コロナ禍で全国の学会が一気にオンライン化されたことで、逆に地域との関わりが増え、スポーツコミュニティの現場に触れる機会が増えました。そこではっきりと感じたのは、「壊れているから痛い」ではなく、「体の使い方が悪いから痛い」という、機能的な問題が本当に多いということでした。

実際、現代の10歳児の運動発達は、25年前の5歳児程度だという調査もあるほどです。社会の変化、遊びの減少、日常の動作が激変する中で、子どもたちの身体の機能そのものが危機的状況にある──それを肌で実感しました。

そこで2022年、豊川市在勤時代に「スポーツ医療・健康アドバイザー」に就任し、広く「動くことの大切さ」を伝える活動をスタートさせました。

そしてこの春から蒲郡市に赴任することとなり、ありがたいことに蒲郡市からも「スポーツ医療・健康アドバイザー」の委嘱をいただきました。今後は市内でも積極的に地域活動に関わり、医療の枠を超えた「健康づくり」のサポートをしていきたいと考えています。

整形外科チーム紹介

整形外科 新体制スタート

整形外科は、今年4月名古屋市立大学整形外科の新たな関連病院として体制がスタートし、現在は5名体制で診療にあたっています。
子どもたちの健康を守るため、新生児検診の実施と、急な骨折などにも対応できる手術体制の充実に努めています。来院した患者さんに「ここに来てよかった」と思っていただくよう取り組んでいます。

このほか裵Dr.が医師になったきっかけ、整形外科で行う治療などのインタビューは、海風19号に掲載しています!

※本記事の内容は2025年7月時点のものです。最新の状況とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。